JIGTHINKとは?
このページではJIGTHINKがどのような思考フレームワークであり、どのような価値があるかを説明します。
TL; DR – JIGTHINKとは?
JIGTHINK(創造的ジグソーパズル思考)は、接合面を意識してピースをつなぎ、AIと人の協働を前提に、視点の高さを調整しながら大きな成果へ導くためのフレームワークです。
このフレームワークでは、仕事を「ジグソーパズル」に見立てて考えます。
タスクや成果物を“ピース”として捉え、その接合面を意識しながら組み合わせていくことで、大きな問題や複雑なプロジェクトをスムーズに解決できるようになります。
AI活用にも対応しており、AIに作らせる“ピース”の形を明確にし、人間側がそれらのピースの適合性を判断することで、AIを真の仕事仲間として活かせるようになります。
また、視点の高さを切り替えることで、担当者は「ピース同士」、リーダーは「ピース群同士」、経営者は「パズル全体」といったように、役割ごとに必要な範囲を自然に把握できます。
多くの仕事は「ひとりでは解決しない」
私たちが日々取り組む仕事やプロジェクトは、多くの場合、一人だけで完結するものではありません。
部署をまたいで協力し合う業務、チームで準備するイベント、複数の担当者が関わる企画や改善、こうした “多くの人が関わり、協働して形にする” 種類の仕事がほとんどです。しかし、これらの問題解決のための方向性は共有されていても、細かな流れや必要な情報は状況によって変化し続けます。そのため、各自の作業がどれだけ丁寧に行われていても、つながり方がうまく設計されていないと、仕事は途端に滞ってしまいます。

こうした現実の性質に向き合うために生まれたのが、JIGTHINK(創造的ジグソーパズル思考)です。
以下では、その考え方の中身を順番に説明していきます。
JIGTHINKとは – 仕事を “ピース” として捉える思考法
JIGTHINKは、仕事や成果物を「ジグソーパズルのピース」として捉え、その”接合面”を意識することで協働をスムーズにする思考フレームワークです。

最初から全体像が固定されているわけではなく、作りながら変化していくという仕事の特性を前提に、一人ひとりが作る成果物(ピース)をどうつなぎ合わせていくかを重視します。
自分のピースが相手にどうつながるのか。どのように伝えれば相手が作るピースがしっかり噛み合うのか。 どこが曖昧だと後続作業に負担がかかるのか。こうした“接合面の質”を高めることで、チーム全体の作業が滑らかに流れていきます。
ジグソーパズルという強力なメタファー
JIGTHINKでは、複雑で抽象的になりがちな協働のプロセスを、誰もが直感的に理解できる「ジグソーパズル」という比喩で説明します。
■ ピースの凹凸 = 仕事の接合面
実際のジグソーパズルのピースには凹凸があり、正しい組み合わせでなければつながりません。この凹凸を「仕事の接合面」と捉えるのがJIGTHINKの核心です。
自分が作る成果物の凹凸は、他の人がどのように利用するか、どんな形式で受け取ってもらうか、相手のピースとどうつながるかを示しています。一方、相手に依頼する仕事の凹凸は、どのような形で仕上げてほしいか、どんなフォーマットで受け取りたいか、自分のピースとどう接続するかを示しています。
この考え方は、ピース同士の結合でも、複数のピースを組み合わせたピース群への結合でも、同じように適用できます。

■ 凹凸を「創造する」
実際のジグソーパズルと大きく異なるのは、ピースの凹凸は決まっているのではなく、現状を見て「創造する」ことができる点です。相手の求める形を確認し、それに合わせてピースを作る。チーム全体を見渡し、必要な凹凸の形を設計する。接合面を意識することで、新しいピースを創り出すことができます。
そのため、JIGTHINKは単なる「ジグソーパズル思考」ではなく、「創造的」ジグソーパズル思考なのです。

JIGTHINKの価値 – 理解しやすいメタファーの導入
JIGTHINKの価値は、ソフトウェア開発の世界で長年実践されてきた設計の考え方を、誰もが直感的に理解できる言葉に翻訳したところにあります。例えば「インターフェース設計」「契約による設計(Design by Contract)」「Adapterパターン」といった専門用語は、ソフトウェア開発者にとっては当たり前の考え方でしたが、専門性が高く、非技術者への説明が難しいものでした。しかし、ジグソーパズルというメタファーを使うことで、これらの思想の本質が理解しやすくなりました。
技術者だけが持っていた「接合面を意識する」という思考法を、組織全体の共通言語にする。それがJIGTHINKの目指すところです。
JIGTHINKがどのように生まれ、どんな背景があるのかについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
AIを”仕事仲間”にする
2023年頃から精度の高い生成AIを気軽かつ安価に利用できるようになり、私たちの仕事環境は大きく変化しました。すでに多くの業務でAIのサポートを受けられる時代となっています。しかし、AIの特性を理解し、適切に活かせている人はまだ多くありません。
現在のAIには、明確な得意・不得意があります。前提が整理され、作業内容がはっきりしている依頼には非常に強い一方で、曖昧な情報や方向性の定まらない指示には期待した答えを返せないことがあります。つまり、AIに渡す情報を“扱いやすい形に整えること”が、より良いアウトプットを得るための鍵になります。

AIは優れた“ピース職人”です。必要な文章やアイデアを素早く提示してくれます。しかし、そのピースが目的に沿っているか、求められている形になっているかを判断するのは人間の役割です。「何が欲しいのか」「どんな結果を求めているのかを自分で定義し」「AIが生成したピースがきちんとはまっているか」を見極める力が、人とAIの協働には欠かせません。
JIGTHINKを身につけて物事の”接合面”を意識することで、AIに依頼すべきピースの形を明確にし、生成されたピースが本当に必要なものかどうかを正しく評価できるようになります。その結果、人とAIが互いの強みを活かしながら自然に協働できる環境が整い、AIは真の意味で“仕事仲間”として機能するようになります。
もちろん、AIを使わない場面でもJIGTHINKは有効です。
ただ、AIが仕事に入り込むほど、「どんなピースを求め、どう評価するか」という接合面の意識はますます重要になっていきます。
既存の手法に JIGTHINK を付け加える
JIGTHINKは物事の“接合面”を捉えるための思考フレームワークです。一般的な仕事術やビジネスフレームワークとは異なる領域を扱い、それらを置き換えるのではなく「補完して強化する」ために存在します。
世の中に多くある仕事術やビジネスフレームワークのほとんどは、「与えられたタスクをどのようにこなすか」という視点に焦点を当てています。タスク管理やタイムマネジメント、優先順位付けなど、タスクそのものの進め方や効率化に注力した手法が中心で、広く利用されています。
一方でJIGTHINKは、タスクそのもののやり方は定義しません。その代わりに、「タスクをどう組み合わせ、大きな成果へつなげていくか」という“接続”の視点に重点を置きます。複数のタスク、複数の人、複数の成果物が噛み合うように調整する部分こそが、仕事の中でもっとも抜け落ちやすく、成果の質を大きく左右する領域だからです。
タスクを単に完了させるだけでなく、「何が求められているのか」「どのような視点で提供すべきか」「成果物が全体にどうつながるのか」といった“接合面の理解”を持ちながら進めることで、同じ仕事でも成果の質が大きく変わります。
つまり、JIGTHINKを今までの自分の仕事に追加するだけで、あなたのタスクは“つながる”仕事へと変わり、協働の精度が高まります。日頃使っている方法をそのまま活かしつつ、成果の噛み合わせを良くするための「もう一段必要な視点」を手に入れることができます。
異なる役割でも”共通理解”を作る
役職や仕事の領域が違うと、同じテーマを話しているはずなのになぜか話がかみ合わないことがあります。経営層と現場の担当者、営業部と技術部など、立場や視点が異なるほど「どの情報を見ているのか」「何を優先しているのか」がバラバラになりやすいからです。
JIGTHINKは、こうした異なる立場の人たちの間に“共通言語”をつくります。仕事を「ジグソーパズル」として捉えることで、誰でも同じイメージを使って状況を理解し、話を進められるようになります。
このメタファーでは、「どんな絵を完成させたいのか(求められている内容)」「手元にどんなピースがあるのか(既存の資源)」という要素を誰もが共有できます。さらに、JIGTHINKではピースを新しく作ったり、形を変えたりすることができるため、「相手が求める凹凸に合わせて、どのように成果物を調整するか」という視点が加わります。

経営者が描くビジョンは、大きなパズルの完成図に相当します。その中で自分がどの部分を担当し、どんなピースを提供すべきなのかが明確になるほど、現場の迷いは減り、コミュニケーションのずれも少なくなります。
そして JIGTHINK の重要な特徴は、“視点の高さ” を使って役割ごとの理解範囲を自然に切り替えられる点です。
視点を上げれば、ピース同士の接続が甘い部分や、本来必要なピースが欠けている場所にも気づきやすくなり、チーム全体としての改善点が浮かび上がります。
チームメンバーは「ピース対ピース」、リーダーは「ピース群対ピース群」、マネージャーや経営者は「パズル全体」といったように、視点の高さによって見える範囲が自然に変わり、役割ごとに必要な“本質的な範囲”だけを無理なく把握できるのです。

JIGTHINKは、異なる役割・立場・専門性を持つ人たちが、同じ“パズルの言語”で認識を揃え、協働できるようにするフレームワークです。